<2002.7.13>  完敗の出来事

・・・・・晴れ後雨・・・・

・・・始めに・・・ このreportのUPは まだ先にと考えて居りましたが revenge に向けて
気持ちの切り替えを狙い 公開する事としました。 背景色は今の気分です・・・。



”パシッ”
 流水の音にと消されそうに乾いた音が

耳に響く ”やってしまった!”手ごたえの消えた

愛竿 がまかつ旭仙翠5.4硬調を握り絞めたまま

痺れた 右手を見下ろす・・・。



台風六号はこの地にも その影響を大きく及ぼし

並みの増水で無かった事は 川岸や土手に残る

爪跡で確認出来る。
 
緩やかに穏かだった流れは 沈み石も垢を落し白く洗われ まるで源流の荒瀬のごとく其の表情を

大きく変えている  ”ドーッ!” と吠え荒々しく駆け下る渓 足元をすくわれそうで 流れへと立ち込む

事すら出来ない 仕方なく狙いの場所へ 川岸を移動しながらの探り釣と成る 押しの強い流れ脇から

面白いように抜き上げる6〜7寸のヤマメ 尺近い物も2本加えた!!立ちはだかる水圧に追いやられ

岸へと這い上がり 入渓ルートを捜す・・・。 鉈で雑草を払い 何とか目的の流れへと近づく事が出来た

岩棚の上から 速い流れのキワへ 4Bの錘 餌はミミズを三本房掛けにして落とす   ”来たな!”

喰うまでは行かなかったようだが 大物が仕掛けへと絡み 手元まで付いて来ただろう事が 濁った

水底での出来事が目に浮かぶ  今度は特大のミミズを一本縫い掛けに通し 同じ場所へと放り込む

”モソッ!”とした大物特有の当り それとばかり

腕一杯に煽る 大合せを呉れた! 道糸の先は

濁った川底から動こうとしない  ”ア〜アッ!”

地球を掛けてしまったかと落ち込む・・・。竿尻に

少しばかり力を込め握ると ラインの先でヤツは

”ユラリ!”と ゆっくり々動き出した・・・ 目印が

スローモーション画像を観るような  コマ送りで

移動しだす 次に来るドラマを予測すると心臓が

”バク 々!”言い出し 思わず竿尻を握り直す

”フッ・・!”とヤツは流れに乗り 流芯に入ると

以前の釣果(もどりヤマメ)と記事中の竿

物凄い力で竿を引ったくった・・・。  アッと言う間に一段下の淵へと落ちる・・。 淵とは名ばかりと成り

速い流れが 其のまま下の緩衝帯へと落ち押しの強い深瀬状態に成っている 大物と水圧のハンデ戦

の様相に 成ってしまった。 ラインの張りを気にしながら 其処に出会う背丈程のコンクリートブロックを

一気に乗り越し走る しかしヤツは止まらない・・・!  少し先で2M程の段落ちと成る ヤツはその下の

巻き込みへと入る  迷う事無く腰の深さばかり有る瀬脇へと飛び降りた  ”ゴー!” と 流音の中で

”ヒューッ!”と 甲高いラインの悲鳴を残し ヤツは一度上手の沈み石裏へ向かい・・ 其処で止まった

何 水圧さえ無ければ どうって事無い。

何とか見つけたポイントで竿を振る釣友

もう どれ位時は過ぎたのだろう竿を持つ右腕は 段々痺れがきだした 気持ち其の力を強めてやると

ヤツは スッと水面に浮いた ”デカイゾ!” 尺五寸は有るだろう 銀色のもどりだ・・・。  再度ヤツは

上流向け逃走を試み始めたが 水圧を見方にしないと不利と気付いたか・・・  踵を返し流れに乗った

左手を竿の二番目に添え凌ぐも もう限界に近く 其の下へと入られたら この足場ではもう付いて行く

事は出来ない 強い水流に我が身を支えるのがやっとだ! や々強引に上手に竿を寝せ 魚を上流へ

導くと 回り込んで来たヤツは 足元に寄り浮いた ”シメタ!” 折りたたみタモを引き抜き水中に差し

入れるが 速い流れに煽られ 魚を収め損なう・・・ 下流へと抜けたヤツは落ち込みの肩手前で力無く

横たわり浮いたが 其処に自分が立ち込めない・・・ 両腕で堪え続け 何時もの取り込み寸前に見せる

最後の姿 力無くヒラを打つヤツが とう々下段の落ち込みへと消へた。


足元へ流れ寄る竿先を掴み道糸を手にすると 確かな魚信にハッとする 道糸をたぐり寄せると 一瞬

強い抵抗を残し フッと魚信は消えた。

                                                        OOZEKI